2008年5月10日土曜日

the Shock Doctrine

先日某英語圏カンガルー国出張へ出かけた際に見つけて小躍りした、ナオミ・クラインの上記新刊。同時に買った或るゴアのthe Assault of Reasonは読み終わる前に翻訳が出たようで悔しい。別にどっちでも良いのだけれど、翻訳の腕次第なのだ。さらに大きいのは、コストの問題。日本のハードカヴァー買うよりは安いしね。

以下でサマライズ。
http://www.youtube.com/watch?v=kieyjfZDUIc

CIAによって適用された1950年台洗脳テクニック(冷戦構造下における心理学の負の遺産?電気ショックセラピー)という「ショック」による人格の破壊と変容と、フリードマン式ネオリベ政策(超民営化!規制緩和!公共事業予算カット!)のパラレルという着眼点が非常に興味深い。さらに社会的「ショック」(戦争、テロ、自然災害)を更なる資本の蓄積へと結び付けてゆくネオリベ国家の政策と介入、民間企業と国家が共謀し人為的に仕掛けていく戦争などの「ショック」によって我々に齎されるdisasterは筆舌に尽くしがたい問題。disaster capitalismと名付けるナオミ・クレインは本当にエレガント。Because capitalism is always already disastrous!

そういえばこの間マイケル・ムーアのSickoを見た。キューバのグアンタナモベイへの「突撃インタヴュー」で思わず冷笑と爆笑。心理学の負の遺産(とあたしはあえて呼ぶけれど)が結晶化された拷問とinterrogationと人格・人権剥奪の場所に、アメリカ本国ではブルジョワしか受けられない5つ星ホテルクラスの医療設備とサービスが整っているんだものね。息子ブッシュが切望した「大量破壊兵器」とスッダーム・フセイン(彼は必死に探している人の名前さえも発音できなかったの)の関連を裏付ける陳述を得るまでは、拷問/治療/洗脳/拷問のエンドレスサイクルを行うしかなかったのよね。ボスが求めることを所謂テロリストが言葉にするまでは、死なせては困るもの。手ひどく拷問して、手厚く看護して、科学的に証明された方法で人格破壊してボスが求める言葉を言わせて記録です。元グアンタナモベイの囚人による訴訟は長期化しているみたいだけど、結局裁かれるのはボスの命令に従った職務に熱心だった現場の人間。What a disaster...

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