2008年7月19日土曜日

しかくいピアスが

欲しいの。ダイアモンドにも見えたり光の加減によってはちゃちなガラス細工のようにも見えるしかくい透明なピアスが、欲しいの。

縁日の夜に幼女向けの屋台で売っている、屋台の白熱灯に照らされぬらりと蟲惑的に発光するやわらかく耳を噛むねじ式のプラスティックなイアリングでも良いの。

と呟けば翌日、
不当に搾取された労働力を時間という抽象的な概念によって切り売りされ、余剰労働時間及び剰余労働力を搾取された賃金形態のなかで手にした、不当に換算された賃金のなかから、明日の労働の為に必要な自らの労働力の再生産に必要なだけの生活必要物質を買い戻す為の交換過程に必要な賃金を差しい引いた、不当に換算された賃金の範疇で、不当に搾取され奴隷労働に裏打ちされた資源を加工・細工する労働によって交換価値が吊り上げられたしかくいピアスを、不当に換算された賃金のなかから、明日の労働に必要な自らの労働力の再生産に必要なだけの生活必要物質を買い戻すために必要なだけの賃金を自らの懐に残しつつ、虚ろな意識で呟いたあたしの欲しいものは言葉としてあなたの脳の襞に塗りこまれていて、
翌日

きしきしと節くれだった指はあたしにぬらりと発光するしかくいピアスを刺し
耳を噛む。